赤裸々日記

日記
天気が不安定ってレベルじゃねーわ・・・

名古屋がえらいことになっているようですね。
私明日、越後湯沢に行く予定なんだけど、大丈夫かな・・・

夜勤前でした。
寝る前・・・つまり朝になってから風呂に入ったのですが、入ったとたんに大きめの地震が!
普段はあんまり地震であわてたりしないんですが、マッパのときに地震が来るとさすがにあわてますね。
今つぶされたら発見時マッパじゃねえか!というか。
心配するところはそこではないとは思うんですが、久々にヒヤヒヤしました(笑)




























***小劇場 続き

 結局、趙雲が始めに「危惧」した話題になってしまうのか――
「どうにもなっていませんし、今後もどうにもなりませんよ」
 思わず投げやりな物言いになってしまったのは、趙雲がこの話題にすっかり辟易しているからだ。
 要するに、「悪い噂」はたったのである。やれ仕事以外の時間にもお互いの家を行き来している(学問のために行き来しているのである)だの、頻繁に手紙のやり取りをしているらしい(ただの添削である)だの、二人で話しているときは本当に楽しそうだ(そりゃ嫌った相手ではないのだから、楽しい話のときは楽しい)だの――
 彼氏にしたい男ナンバーワンと、彼女にしたい女ナンバーワン同士の、所謂「浮いた話」は、瞬く間に国中に広まった。
 どころか国外にも広まっているらしく、人材&美女コレクター曹操が毎晩泣くので夏侯惇が胃潰瘍になったとか、孫権がヤケ酒飲んで張昭の家に火をつけたとか、嘘か真か判じにくい話まで出てきている。
「――そうですか、どうにもならない、ですか――」
「ええ、どうにもなりません」
 趙雲はきっぱりと言い切った。実際、趙雲は銀屏を「女」として見た事などない。その愛らしい言動に、心の動揺をさそわれたことなど――まったくないとは言い切れないかもしれないが――まあ、ない。
「とってもお似合いなのに、残念です――関羽どのも、狗の子にはやれぬが、龍にならやってもいい――などと仰っていたのですが」
「だから、そうやって外堀から埋めようとするのはやめていただけませんか・・・!」
 先日などは劉備とすれ違う時に、
 ――仲人はぜひ私にやらせてくれ!
と声をかけられた。あまりに唐突であったので衆目の前で硬直してしまい、否定もお断りもできぬまま終わってしまった。張飛も事あるごとに、
 ――一番下だった俺にも義弟ができるなあ!あれ、義甥か?なんていうんだ、こういうの!
などとうれしそうに話しているらしい。
 ――迷惑だ。そして何より、銀屏に対して失礼だ。
 趙雲は頭を抱えた。そして何より困るのは――銀屏自身が、まったく無頓着だということだ。
 わからないところがあれば、日が落ちる直前であっても供も連れずに趙雲を訪ねてくる。天真爛漫だとか、天衣無縫だとかいう言葉では片付けられない。その行為が、いかに彼女に不利益な悪評を生むのか、まったくわかっていないのだ。
「まあ――なるようにしかならないものですしね」
 頭を抱えんばかりに苦い顔をしている趙雲に、諸葛亮は上品な声をかけた。
「あまり、考えすぎないことです――言いたいものには、言わせておけばいいでしょう、あなたの潔白は、あなたが一番よく知っていることなのですから」
「は――」
 趙雲は、困惑の面持ちのまま言った。
「そう――かもしれませんが――」
 それでも尊敬する関羽の娘であり、夭く前途ある銀屏が、自分のせいで嫁にいけずじまいにでもなったら――きっと、己の軽率さを悔やむことだろう。
 諸葛亮は涼やかな目元を、少しだけ緩めてから言った。
「趙雲どの――女性とは、可憐なものですよ」

「・・・えっ?」
 趙雲は驚きのあまり、素っ頓狂な声を上げた。高潔で、どこか浮世離れした感さえあるこの人物から、まさかそのような言葉を聞くことになるとは――
 諸葛亮は続けた。
「可憐という言葉は、憐レム可シ、と書くでしょう――本来戦場に出るべきではないのです、ましてや将として――などと・・・」
「それは――」
 趙雲は言った。
「武器など持たぬほうがよい――と言う事でしょうか」
 それはそれで、どこか差別的な考えのような気がするのだ。銀屏だけではなく、そこらの兵よりも武芸が達者な女性はいくらでもいる。それを女性だから、というだけの理由で押さえ込むのは、また少し違うような気がする。
「いえ――趣味や修身、護身のために武芸をやるのはよいことだと思います、しかし――」
 ここで初めて、諸葛亮は眉根を寄せて表情を曇らせた。
「戦塵と汗と返り血にまみれて、己の命を晒しながら人殺しをしてまわる――そんなことを、女性にさせてはならない――と思うのです」
「・・・ああ――」
 趙雲は同意した。女の手は、敵を倒すためのものではない。子や家族を、愛するためのものだ。
「趙雲どの、私の妻は、武人です」
 月英どのか――趙雲はその人を思い浮かべた。すらりと伸びた高い背と、凛々しく強いまなざし。そして、龍の妻を自認するにふさわしい力量と高潔さ。
「軍師である私よりもよっぽど前線を経験しています、しかし――本当は、彼女を戦場に出したくなどないのです」
 それはそうであろう。どれだけ強く賢く優れた将であっても、万が一、ということはいくらでも起こり得るのだ。
「私は彼女がどのような武将が相手であっても、遅れを取るようなことはないと信じております、しかし私は軍師です、いつか――」
 そこで諸葛亮は少し、言いよどんだ。
「いつか、彼女を見殺しにすることによって、千の兵を救うことができるような状況になれば――きっとそうするのでしょう、いえ、そうしなければなりません――」
 それは――残酷で、悲壮な決意である。
 諸葛亮と月英の仲睦まじさは、蜀の者であれば誰でも知っている。その諸葛亮が、いつか月英を殺す。そのとき月英は、諸葛亮を詰ったりはしないのだろう。ただ、龍の妻として――誇らしげに笑って、死ぬだろう。
「軍師は軍を勝利に導きはしますが、将を守ることはできません――それなのに彼女をいつも死地に送っている、夫としてこれほど悲しく、情けないことはありません」
「――お察しいたします――いえ、軽々しくこのようなことを言うべきではないとは、わかっているのですが――」
 趙雲の真摯な物言いに、諸葛亮は苦笑して言った。
「だからこそ、銀屏どののとなりには、彼女を守る相応の武将がいたらよい――と思うのですよ」
「えっ、」
「銀屏どのは、将らしい動きをするようになったとはいえ、まだまだ力押しで無茶をすることが多いですから」
 結局、その話に戻るのか。趙雲が胡乱げな視線を諸葛亮に向けるが、どこ吹く風の風情で、羽扇をゆったりと翻した。
「とはいえ――男女の仲などなるようにしかならぬもの、これは軍師でもなく、あなたの戦友でもなく、ただの諸葛亮の我侭なのだと思って、聞き流していただいて構いませんよ――それでは私は、仕事があるので失礼いたします」
 諸葛亮は音も立てずに立ち上がると、背を向けて部屋から出ていった。
 趙雲は暫し呆然とした後、礼を失した態度であったと気づいて慌てて後を追った。だが、すぐに足を止めた。諸葛亮の隣には、廊下で合流したらしい月英がいた。心なしか、二人ともいつもよりも穏やかな表情をしているように見える。
 ――いつか、彼女を見殺しにすることによって、千の兵を救うことができるような状況になれば、きっとそうするのでしょう――
 そんな日は、永遠に来なければよい。趙雲は密かに願った。


 ***


 ――ねえ、趙雲様、この戦が終わったら、うんとたくさんご馳走を作りますから、楽しみにしていてくださいね!
 ――楽しみですが、ほとんどあなたに食べられてしまいそうな気がしますよ、
 ――そんなことありませんよ、趙雲様の分なら、ちゃあんと残しますって!
 ――では、期待しておきましょうか――

 ごおんと音を立てて、重い城門が開かれる。二人の若き武将は名乗りを上げた。
 ――平穏なる世のため、趙子龍、参る!
 ――軍神の娘、関銀屏、参る!

***

とりあえず終わらせました。月妹の誕生日から1ヶ月ぐらいたちましたが・・・(笑)

一応諸葛亮×月英の、びっくりするぐらいリア充なおまけもあるんですが、そっちは書くかちょっと微妙です。