イブだから。
日記はともかく小劇場ぐらいはやろうか。
いや、ネタまみれの一日ではあったので(具体的には大阪)、多分後日追記します。
***本日の小劇場~結局なんの仕事してるんだろうね~
雪が降っている。
静かに降り積もる大粒の雪は、触れれば確かに冷たいのに、なぜかかすかなぬくもりさえ感じる。
「――どうして他の祝日にはイブが無いのに、クリスマスにはイブがあるか知っているか?子龍」
「はあ」
「それはイスラエルの暦によるのだ」
「はあ」
「古代(←?)イスラエルでは日没が次の日の始まりだった、だからクリスマスはイスラエルの暦にのっとれば、24日の日没から25日の日没までとなるわけだな」
「はあ」
「それゆえに24日の夜にごちそうを食べて、25日は朝からいそいそと礼拝にでかける」
「はあ」
かしゃり、と竹簡をかさねる音。
「して、そのココロは?」
「・・・うむ、」
孔明が、かたりと筆をおく。
「なんでクリスマスは二日もあるのに、そのどっちとも寂しく残業せねばならぬのだ!」
――しんしんと雪は降り積もる。
「だいたい年末にみな溜め込むからいけないのだ、ただでさえ年末は決済だのなんだのでいそがしいというに、武官どもはギリギリまで書類を片付けない、わが君はお祭り気分で遊びに行ってしまう、文官も正月の準備とかでいそいそと帰ってしまう・・・」
「では、文官どもをおかえしにならなければよろしかったではありませんか」
趙雲が苦笑とともに言った。
「すくなくとも――さようでございますな、負担は半減ぐらいにはなったのでは?」
「それは、」
竹簡をひとつ、広げたまま床に置いた。墨を乾かすためだ。
「やはり、家族や恋人がおるものはクリスマスには帰宅させてやったほうがよかろう、幸い私の細君は夫がクリスマスに帰らないぐらいでは怒らぬ、良妻ゆえな、それに・・・」
・・・それに――
お前が、くると思ったから。
孔明は趙雲(相変わらず、妙に清々しい笑みを浮かべている)をちらっと見た後、また竹簡に目を落とした。趙雲はくすりと笑うと立ち上がり、床の竹間を踏まないようにして孔明の後ろに座り、孔明の腹を包むようにして抱きしめた。
「・・・おい」
「はい」
「なんのつもりだ」
「いえ、先ほどのお話ですと、クリスマスは24日の夜が一番重要だ、とのことでしたので」
「言っていない、そんなこと」
「そうですか」
「離せ、集中できぬ」
「もとより、集中されておられなかったでしょう」
「まあそうだが」
「ああ、こんなにお召し物が冷えて」
「だからなんだ」
「それがしも人肌恋しくなってまいりました」
「雪、積もりそうだな」
「さようでございますね」
「くちづけて」
「はい」
――しんしんと、雪は降り積もる。
メリー・クリスマス♪
***
・・・あー、うん。ノーコメントだね・・・(笑)