仕事でした。
忙しかったし新人研修しんどかった・・・
モンハンのコラボ、相変わらず頭がおかしいw
モンハンとコナンのコラボ本日の漫画
「絡新婦の理」4巻
織作家の人たちの、憑き物が落ちたときの顔がどれも美しかった。
特に最後の真犯人(というか、黒幕?)の。美しかった・・・
ところで今「鉄鼠の檻」描いてるって本当?あんな禅問答炸裂の坊主しか出てこない話を?(笑)
***本日の小ネタ~魔女の車輪~
昔『絡新婦の理』と『緋色の囁き』を足して2で割ったような話考えたけどボツにしたのを思い出しました・・・
折角だから敗者復活戦!オリジナルのサスペンスの様なミステリのような何かです。
ざっくりとあらすじだけ。
主人公、相川沙織が在籍しているのは全寮制のミッション系お嬢様学校、聖カタリナ女学院高等部。外界から断絶された学校で、独自の校風を持つ。
ある日、新学期でもない中途半端な時期に転校生の原田美緒(みお)が転校してきた。公立から転校してきたためか、かなり周りから浮いている上に美人で成績もよく、ボス的存在の嶋崎君香(きみか)にも反抗的な態度をとる。とうとう嶋崎君香と取り巻きの4人に「魔女」と呼ばれ、苛められるようになる。かなり陰湿ないじめだったが、沙織は他の子同様に自分がターゲットにされるのを恐れ、何もできないでいた。
とある土曜日の早朝、嶋崎君香の死体が校庭はずれにある奉仕小屋の水車に貼り付けにされた状態で発見された。少女たちは戦慄した。「聖カタリナ様・・・」誰かが呟く。聖カテリナは車輪に貼り付けにされて処刑され(そうになっ)た聖女である。
自習になった教室内はざわついていた。誰が犯人か、犯人は校内にいるのか、まさか犯人は、学生の内の一人か・・・
がたん、と原田美緒が立ち上がった。クラスメートの視線が原田美緒に集まる。
「――私が殺したんだよ」
クラスが静まり返った。
「私、魔女だから。私が殺したの。自首してくるね」
そのまま茫然とするクラスメートの間を縫って、原田美緒はクラスを出て行った。
ところが原田美緒はあっさりと帰ってきた。なんでも証拠不十分で追い返されたらしい。とは言えクラスメートたちは原田美緒と交流できないでいた。
――私が殺したんだよ。
そういった彼女の目は、とてもではないが冗談を言っているようには見えなかったから。
相川沙織がふらりと構内の礼拝堂に入ると、原田美緒がいた。正面に主イエス、左側面に聖母マリア、右側面に聖カテリナの像が立っている。原田美緒は聖カタリナの正面で、その像を見上げていた。
「・・・ごきげんよう」
「あっ、相川さん。おはよ」
相変わらず学校の決まり通りに挨拶しない。
「ねえ・・・原田さんって、魔女なの?」
「・・・すごいね、本人に正面から聞くんだ」
相川沙織は言葉に詰まった。確かに。魔女だと言われたら自分はどうするつもりなんだろう。
「そうだね、魔女だよ」
「・・・でも、殺し――てなんか、いないんでしょ?だから、警察に逮捕されなかったんでしょ?」
「ねえ、相川さん。魔女って、どんな奴だと思う?」
「どんなって――ホウキで空を飛んだり、変な薬を作ったり?」
「ちがうなぁ――魔女はね、人を惑わすの」
「惑わす?」
「そう、魔女って、自分の手は汚さないの。人の心を惑わせて、操って――聖カタリナみたいにね」
「聖カタリナは聖女でしょう?」
「そうかな?聖カタリナに惑わされた皇帝は千人単位で人を死なせて、結局権威を失った」
「――よくわからないよ」
「わかんなきゃ、まあいいや――ねえ、密室だったんだって」
「密室?」
「嶋崎さんが殺された時のこと」
ぞくり、と背筋を駆け上がるものがあった。
「まさか密室だとは思わなかったんだよ。結局私に殺すのは無理って判断されて、厳重注意で帰されちゃったの。なんでも嶋崎さん、寮の鍵を落としてたんだけど、それが前日の昼のうちに事務室に届いてたんだって。嶋崎さん自身は同室の人の鍵で入ったらしいんだけど、次の日の朝、同室の人は目隠しと猿轡されてて、窓も扉も鍵がかかってた。同室の人の鍵も、同室の人のカバンの中に入ってた」
成程、実質的には密室だ。
「――嶋崎さんは確かに部屋に帰ったの?替え玉がいたとか・・・」
「就寝前の点呼の時には、ちゃんと寝間着でいたって先生が証言したらしいよ」
「事務室の人は?」
「土日は休みだから、事務室に鍵かけてあとは用務員さんや寮母さんに任せて帰ったみたい」
「事務室にあった鍵に、持ち主以外の指紋はなかったのかな」
原田美緒は目を丸くした。
「指紋のことは聞かなかったな。相川さん、結構頭いいね」
原田美緒はえくぼを作って、美しく笑った。
その後も立て続けに原田美緒をいじめていた子が殺害されるが、なぜか特に関係のない大沢真紀が殺害される。
「――どうして大沢さんは殺されてしまったんだろう」
「なにか、犯人にとって不都合なものを見たとか?」
「ううん、どうかなぁ・・・」
もしも犯人のターゲットが原田美緒をいじめていた人たちならば、まだ殺されていないのは橋本洋子と槇千尋――
「――あ、」
相川沙織は、思わず声を上げた。そして原田美緒にニッコリと笑顔を向ける。ああ私、原田さんみたいにできてるかしら?
「原田さん。続きは中庭で話さない?」
「うう、いたた・・・相川さん、なんで急にあんなこと・・・」
原田美緒は自室に戻るとうめいた。
「・・・友達ができたと、思ったのに」
ちいさなつぶやきは、誰も同室になってくれない寮の室内にちいさくこだました。
次の日の朝、相川沙織は礼拝堂で聖カタリナを見上げていた。壊れた車輪に手をかけ、右手に剣を掲げた姿の、美しく聡明で、気高い女王――
「わっ!?」
とつぜん後ろから手首を掴まれる。驚いて振り向くと、マントのようなものをかぶった人物が立っていた。そのまま振り上げようとした右手を――聖カタリナ像の裏に隠れていた警官がさらに掴んで、そのまま羽交い絞めにする。右手からはサバイバルナイフが、そして頭上からはマントが落ちた。
「やっぱり、」
入口から駆け寄ってきたのは、原田美緒だ。
「やっぱり、あんたが犯人だったんだ――お母さん!」
マントの下から現れたのは、中年女性だった。
大沢『真紀』が殺されたのは、『槇(まき)』千尋と勘違いされたのではないか。そしてこの勘違いはおそらく、部外者が耳で聞いた時以外は起こらない。警察に調べてもらったところ、原田美緒の母が「肌身離さず持ってなさい」と言ったお守りから盗聴器が出てきて、さらに盗聴器からは母親の指紋が検出された。
密室は、母親がこっそり土曜日の早朝のみ入る清掃員として勤めていたからこそできたことだった。盗聴で嶋崎君香が鍵を無くしたことを知った母親は、清掃員に渡されたマスターキーで事務室に侵入して鍵を入手したのだった(ということにしてください)
「小学生の時の失明したみきちゃんも、骨折したえりちゃんも――全部お母さんがやったんでしょ!お母さんが迷惑かけるたびに私は転校させられて――全寮制なら、お母さんでも手が出せないと思ったのに、こんな方法で私を監視して、ヒトゴロシまでするなんて!」
原田美緒がお守りを地面に叩きつける。
「美緒・・・そんな、私はただ、美緒が心配で・・・」
「そうだね、私のせいなんだよね。私が魔女だから!」
原田美緒の母親と、相川沙織が短い悲鳴を上げた。原田美緒はポケットからハサミを取り出すと、自分の喉元に押し当てた。
「私が死ねばよかったんだ!」
彼女が叫んだとき、母親はけだものじみた雄たけびを上げると、凄まじい力で警官を振り払い、娘に飛びかかった。
「やめなさい!美緒!お母さんが悪かったから!もう二度とこんなことしないから・・・!」
「離してよ!それ言うの何度目だと思ってるの!?離して!離せ!」
母娘が揉みあっていると、台の上の聖カタリナ像がぐらりと揺れた。壊れた車輪に手をかけ、右手に剣を掲げた像が――
「あっ、危ない――」
警官が駆け寄ろうとしたときには、もう遅かった。聖女の持った剣は、母親の背を貫いていた。
母親は緊急搬送されたが、数時間後に亡くなった。
その数日後、原田美緒は再び転校していくことになった。事件の真相は伏せられていたが、それでもなんとなく他のクラスメートも察したらしい。どうしようもなかった。
学園を去る原田美緒を見送るのは、相川沙織ただ一人だった。
相川沙織が言った。
「ねえ、原田さん――私、お母様のこと、その――」
お悔やみ申し上げます、と言いかけた言葉は、喉に貼りついて出なかった。原田美緒が、微笑んだからだ。今まで見た中で一番美しく、優雅で――おそろしい笑みだった。
「言ったでしょ、相川さん――魔女ってね、自分の手は汚さないんだよ」
***
・・・なんでこの話ボツにしたかなんですけどね、実在したんだよね。聖カタリナってつく女子高が。しかも愛媛に(笑)