赤裸々日記

日記
奇跡の三連休。絶対家から出ないぞと思っていたのですがふと、ズートピアを見に行ってみようかな、と思い立ちました。レディースデーだったしね!
端的に感想を述べると、良くも悪くもアメリカでなければ生まれない映画だなー、と。
普通に面白いし、映像も隅々まで書き込まれてて見ごたえありましたし、擬人化されつつ動物の動きが自然でとても、とても、きゃわいい。
主人公のジュディの動きも「ウサギあるある」が詰め込まれてます。「おびえてるんだろ、鼻がヒクヒクしてるぜ」とか、「しょげてるんでしょう、耳が垂れてるわよ」とか。
全体的にテンポがいいし、まあテンプレ展開と言えばそうでしたがストーリーもよく練られていました。
ちなみに私は字幕で見たかったのでわざわざ新宿まで行きました(笑)
予告編のジュディの声が、どうにも気に入らなくて・・・
メリダもそうですけど、声優嫌いのパヤオが監督のジブリはともかく、ディズニー映画で俳優を声優起用するのやめようよ・・・アメリカンのジョークを日本語でも面白く聞かせるって、すっごい技量がいるだろ・・・
ちなみに私が一番笑ったシーンはこれ。
仕事が早いフラッシュ
私がっていうか、劇場のあちこちからクスクス笑いが聞こえてきました。実はようつべの、まだ予告編用としてナマケモノたちの動きがちょこちょこカットされてて速い方なんですよ・・・劇場で真のテンポで見たら、きっとみんなもジワジワくるはず。
あとうさぎ村の人口が秒速で増え続けてるのもわろたwやっぱ欧米ではいまだにウサギってそういう扱い(多産のシンボル)なのなww


・・・で、以下はネタバレを含むかもしれない、ディ・モールト個人的なわたしの感想です。ちょっと批判入ってます。嫌な予感がする方はここまでで読むのをやめてください。



































さて、はじめに書いた通り、アメリカでしか生まれない作品だと思いました。よくも。そして悪くもです。
この映画を見ると二つの軸があることに、誰でもすぐに気付くでしょう。特に大人であれば必ず。すなわち

1:努力してれば夢はかなうよ
2:人種差別や偏見いくないよ

上記の2つです。
1はいつものディズニーなんですが、今回はストーリーの根幹として2がかなり色濃く出ています。そして私は差別いくない、人権大事とか説教くさいことを言われるとマイナスまで萎える人間なんです(「メリダと恐ろしの森」やリドリー・スコットの「ロビン・フッド」では萎えに萎えました・・・)。
そのため、なんだかこの映画は人権啓発ビデオを見せられているような気さえしてきて、純粋に楽しむことができませんでした。
たとえば体が大きくて強い肉食獣は黒人、狡賢くて嫌われ者のキツネはおそらくユダヤ系のメタファ―でしょう。また、北米版ヘタリアを見るとわかるように、アメリカのアニメでは現地訛りの声優を使うことがあります。
(日本だと幕末モノ以外方言はおおむね無視されますよね、わかりいくいし、演じる方も大変)
主人公のニックはそうでもないんですが、幼馴染のキツネのギデオンはどこかの訛りっぽかったなぁ。ガゼルもラテン語系に聞こえたから、南米系移民の設定なんじゃないかと思う(語学力皆無なかんの言うことなので、あんまり真に受けないでください)ビッグボスはロシアンマフィアと感想サイトで書かれていたから、ロシア訛りなのかな?吹き替えではわかりませんが、こんなところでもズートピアの「人種のるつぼ」っぷりを呈しております。
そして主人公ジュディを女性にすることで、男女差別いくない臭も醸しております。配属されたばかりのジュディが言うこの台詞。
「同胞のうさぎにかわいいと言われるのはうれしいのですが、あなた(チーター)に言われると複雑です」
これ、女性の「女性にスタイルがいいと言われるとうれしいけど、男が言ったらセクハラよ」っていう思考にそっくり。

差別を取り扱ったディズニー映画は、実かこれが初めてではありません。ひとつは「ノートルダムの鐘」で、ジプシーに対する迫害と、身体障碍者であるカジモドへの差別がその根本にはありました。
また・・・考えすぎかもしれませんが、「ダンボ」も差別と戦う話です。耳が大きすぎて、サーカス(見世物小屋?)で周りの嘲笑を買うダンボはおそらく身体障碍者のメタファーです。
しかし上記の2本は、前者は愛憎をからめてより深いストーリーにすることによって、後者は大きすぎる耳で空を飛び、逆にスターになるというアメリカンドリーム?によって、説教臭さをまったく感じさせない作品にしています。
しかし「ズートピア」は、まったく隠していません。擬獣化して人種を動物の種類に置き換えれば隠れると思ったか!残念、バレバレでした!状態。

最後にジュディが独白します。ズートピアではなんにでもなれる。楽園だと思っていた。けど、そうではなかった。差別や偏見をなくしていくためには、努力していかなければとかなんとか、そんな感じのことを。
正論ですね。ズートピア=ユートピアにするには、努力を未来につなげていかなければならない。娯楽映画のラストで言う?そんなこと。

というわけで、個人的には説教臭さが鼻について、あんまり全力で楽しめませんでした。
もう一度言うけど、個人的にはです。ハイ(笑)