赤裸々日記

女傑たち
喰いタン6巻とカミヨミ5巻購入。
カミヨミは偽カミヨミつきの限定版を買ったのですが、偽のほうが普通におもしろかった(笑)すげー、どの作品にもヤチマタがいるよ。みんな好きだな!(笑)

ついでにこんなものを予約購入。
://kids.shueisha.co.jp/china/
届く時期が論文真っ最中の予感ですが、気にするものか!(笑)
楽しみだなあ・・・
今なら送料無料の全巻購入で2千YEN引きだそうなので、みなさんもご一緒にいかがですか?

日本人の好きな偉人~女性篇~を見ました。
なんか、なんつっか・・・

イマイチだった・・・

え、なんでその人がその順位なの?なんか最近の女優ばっかり再現ドラマ作ってない?しかも再現ドラマところどころ間違ってるし・・・

つーか何が酷いって、小野小町が酷いですよ!!特にあの百夜通いの切ないエピソードをあんな言い方・・・

久々に見る甲斐のなかった特集番組だった気がします・・・

ああでも、再現ドラマはなかったけど乙女ねえやんやマタ・ハリなど好きな(マイナー)人物もチラホラ入ってたのはうれしかったかも。
でもベルキスやルクレティア・ボルジアはいなかった。(18金になるって)







で、小野小町があんまりにもあんまりだったので、かのエピソードで趙孔パロです。
いろいろと三国志とは関係ない仕様となっておりますので、苦手な方は読まぬが吉。



***本日の小劇場~通コメ~

 ある仏僧が、山にこもって修行していた。
 生い茂った木々の間がから差し込む日差しは夏のそれであり、色の濃い仏僧の袈裟をじりじりと焼いた。
 仏僧はさくさくと青草を踏みながら、小川へと足を急がせた。
 いかに苦行により涅槃に近づくことが目的とはいえ、水がなければ干上がってしまう――
 ところがふと、突然に、身を纏っていた四川の熱気がすうと引いたのである。不思議に思って空を見上げるも、太陽が隠れたわけではないらしい。仏僧は首をかしげつつもまた足を踏み出した。
 その時であった。
 ――御坊――
「うむ?」
 仏僧は声のしたほうを振り返った。するとそこにはつい先刻まではいなかったはずの男が立っていた。
 長く玄天のごとき艶やかな髪を風になびかせ、その髪よりも黒い道服を身に纏っている、そして髪と服に縁取られた肌は、薄紙のように青白い。
 ――さてこれは、この世のものではないな――
 仏僧は心中に呟くと、数珠を握りしめて言った。
「おぬしは何者ぞ、何故、この坊主を呼ばわったか」
 仏僧の言葉が聞こえているのかいないのか、幽鬼は深い色の目をゆっくりと瞬かせて言った。
 ――御坊、お助けを――
「助けよ、と?おぬし、無縁仏か」
 ――お助けを――
「助けよとて、おぬしが何者かわからなければ供養もできぬ、まずはおぬしの名を名乗れ」
 ――
 幽鬼はいちど目を伏せたあと、名ではなく、ある地名を言った。
「なに?」
 思わず仏僧は聞き返したが、もう男の姿はかき消えていた。

 仏僧は道観の者たちに事情を話し、特別に廟中に一人で入れてもらうと、ひとまず廟中で座禅を組んで意識を集中させた。
 すると程なくして、神像の裏から泣き声に似た声が聞こえてきたので、仏僧は立ち上がり、慎重に神像の裏へを覗き込んだ。
 仏僧は思わず、あっと叫んだ。
 神像の裏、埃でうっすら白くなっている床板の上に、先日の男が這わされ、その上に獣の体躯の男が覆いかぶさっている、獣が腰を進めるたびに、投げ出された痩躯がびくり、びくりと震えるのを見れば、二つの体が繋がっているのであろうことは容易に見て取れた。
 両方ともこの世のものではあるまいに、それは妙に生々しい交合であった――
 獣が、ゆっくりと仏僧を見上げて言った。
「道士も将も無理であったから、今度は坊主か、貴公もあきらめの悪い――」
 言いながらずるりと欲望を引きずり出した。仏僧はその欲望を見て悲鳴をあげそうになった。魔羅の名のとおり(魔羅はインドの欲望の権化、マーラを語源とする)どす黒く醜悪で、凶暴な巨大さだった。
 もし生身の人間があれを喰らえば、死んでしまうのではないか――
 痩躯の男は震える手で着物の前をあわせながら、かすれた声で言った。
「ご、御坊、お助けを――」
「まこと貴公は諦めが悪い」
 獣の逞しい腕が、痩躯をしっかりと抱え込む。
「貴公一人、愛欲の地獄から逃れようとなさるか、それがしは約束を果たしたのだ、貴公にも、約束を果たしてもらわねばな――」
「い、いやぁぁ・・・」
 獣の手が、男の内股をゆっくりとさすりはじめた。男の内股もその身を起こし、先端からは蜜をこぼしていた。先からの責めで、すでに昂ぶっていたのであろう――
「待て、待て」
 仏僧はそのみだらな光景を直視できずに、俯いたまま慌てて手を振った。
「そも、貴公らは何故このような関係に?約束とは、何のことだ」
「――聞きたいか」
「是非に」
「ふむ――」
 痩躯がひくりと息を呑んだ。獣の手は、いまだ男の内股をなぶっている。
「左様――あれはそれがしとこのお方がまだ存命であったころだが――ある日それがしはこのお方に、長年の思いを打ち明けた、するとこのお方は妓女の戯れのごとく、百日欠かさずわがもとへ通えば、おまえの思いを遂げさせてやろうと仰ったのだ、ゆえにそれがしは毎日通った、雨の日も、風の日も、欠かさず通い、このお方の家の門前で待った」
 仏僧はその思いのすさまじさに心うちで感嘆した。百日。とてもではないが、最後まで果たせる期間ではない。
「九十九日通い、あと一日で思いを遂げるという時であった、その日はひどく吹雪いていた、はやる思いで馬を走らせたそれがしは――風にあおられて馬もろとも横倒れになり、そのまま雪中で凍死したのだ」
「成程、そのようなことが――」
 仏僧は嘆息した。それではさぞかしこの世に残した未練は大きかったであろう。
「しかし、おぬし、さほどこの方を愛しておられたのであれば、もう解放してやってはいかがか、おぬし妄執のすさまじさのあまりに、愛するものを傷つけるばかりの異形のものになりかけておるぞ!」
「結構だ、なればそれがしは妄執の犬となりて、このお方にに喰らいつき、打たるるとも離れぬぞ」
「ひ・・・っ!」
 男がひきつった悲鳴を上げて、身を震わせた。獣が黄金色の瞳を光らせて笑い、ゆっくりと男の内股から手を引き出した。その手は、白く濡れていた。
 男が羞恥に顔を伏せ、呼吸を震わせて泣いている。その潤んだ、深い色の瞳――
 仏僧ははたと思い当たって、立ち上がった。
「幽鬼どの、おぬしは『助けよ』と言った、『私を助けよ』とは言わなかった――!」
 男は俯いたまま息を整えると、溜息をつくように笑ってから言った。
「だって、私一人この地獄から逃れようとて意味がない――」

「――何?」
 獣が低くうなると、男は獣を見つめて言った。
「私は、お前に求愛される前にも何人かの男に抱かれたのだよ、その男たちはそれぞれに甘い言葉を吐き、熱く抱擁し、私も彼らを愛した――しかし、男たちはみな、私を愛していたわけではなかった、私の頭脳や、権力を愛していたのだ、私が意のままにならぬと気付くと男たちは皆私から離れていった」
 それは、悲しい告白だった。仏僧と獣は目を伏せ、静かに男の声に聞き入っていた。
「そんな時にお前に思いを告げられて、私はお前を信じることはできなかった、だから私は、百日通えと言った、無理難題を言えば、お前は手を引くと思ったから――けれどお前は毎日通ってきた、来る日も来る日も通い、門前で待つお前を見て、私はお前を疑った己を恥じた、そしていつしか、百日目が訪れ、お前のものになることを待ち焦がれるようにすらなった――」
 そこで男は、悲しげに眉をひそめた。
「けれど百日目――お前は来なかった、その時私がどれほど落胆したか、お前に分かるか?結局お前も私の心を弄んだだけだったのだと――そして翌日、真実を知って、どれだけ嘆き、後悔したか、お前に分かるか?」
「それは――」
 獣が低くうなった。
「深く悔いた私は、もし次があるならば、必ずやお前を信じようと――たとえ裏切られることになってもかまわぬ、お前の全てを信じようと、誓ったのだ、だから私は、お前を信じた、いつかお前が、かつてのお前にもどってくれる日が来ると――」
「なぜ――なぜ、はじめからそう仰らなかったのです」
 獣が言うと、男はいっそう悲しげに言った。
「だって、お前は私の言葉など聞かなかったよ」
 獣は嗚呼、と仰天し、天に向かって叫んだ。
「それがしはとうに、一番大切なものを手に入れていたのか――!」
 その瞬間、獣は獣ではなくなっていた。しなやかな体躯を持つ、りりしい顔立ちの将であった。将は男の体を抱きしめた。その手には、凶暴さも情欲も感じられなかった。男も将の背に腕を回した。そしてそのまま二人の姿は、掻き消えてしまった。

 仏僧はしばらくそこに佇んだあと、床の靴あとを払いながら神像の手前に戻ると、神像に向かって合掌した。ふと気がつくと、覚えのない竹筒が腰に下がっている。不思議に思ってふたを開けてみると、中身は清涼な甘露水であった。礼のつもりであろう。仏僧は苦笑して、もう一度神像を拝むと、道観のものに一声かけて、その場を――
 諸葛武郷廟をあとにした。

***

アレ?なんでこんなに長く・・・(笑)
よりによって通小町。(詳しくは://ww2.tiki.ne.jp/~h-hidaka/newpage24.htm)
さすがに原典ママだと仏教色濃すぎるのでアレンジしましたが、

思いのほか楽しいですね!(爆)

時代設定は・・・唐代くらいだと思ってください。唐代伝奇は仏教と道教入り交じり気味なので。
氷河期長いな・・・