赤裸々日記

うさぎ
うさぎはなんで一羽二羽って数えるか知ってますか?

ウサギを買いました(唐突)
生後一ヵ月半の真っ黒なやつ。
名前は紆余曲折あった(本当に紆余曲折あったのだが、紙面の都合上割愛)のち、「ミミ」になりました。

母:「みみ・・・みんみん・・・みんみんらいらい・・・」
俺:「みんみんだーはー?」
母:「それだ!!」

名前は「ミミ」です。おかんは夜「みんみんだーはーv」と呼びかけていましたが、断固として「ミミ」です。


***本日の小劇場~封神三国演義・2~

 光がやんだ、と思い、趙雲がゆっくりと目をあけると、そこには先ほどの獣はいなかった。孔明が、仰向けに倒れているだけであった。
「――っ、軍師・・・!」
 あわてて駆け寄り、抱え起こす。呼吸はしている。だが、死人のように顔色が悪い。
 趙雲が数度、孔明の頬をやわく張ると、孔明の睫毛が振るえ――ゆっくりと目をあけた。そのまま視線をさまよわせ、趙雲に視線を合わせると、細い声で言った。
「――子龍?」
「ご無事か、軍師――」
 ほ――と趙雲が息を吐くと、孔明は笑った。
「ああ、すまぬな――驚かせたようだ」
「まったくです」
「な、子龍、」
 孔明が、起き上がりながら言う。
「首――傷が残ったりしてはいないか?」
 言うと、孔明はすぅ・・・と襟を緩め、しろい首筋をさらした。趙雲の心臓がはねた。細い首と、浮き出た鎖骨が、真珠のように淡い光を放っている。ひどく――扇情的な光景であった。
「い、いえ」
 あわてて趙雲が目をそらす。
「傷など、どこにも――」
「見ておらぬではないか」
 くすり、と孔明が笑ったようだった。
「ほら、さわって――ほんとうに、傷はないか――?」
 孔明が、趙雲の手を導いて、己の首に触れさせた。その絹のような感触に、趙雲は血が逆流するような錯覚を覚えた。ほとんど無意識にその首筋を撫で上げると、孔明は猫のようにうっとりと首を伸ばした。
「子龍――?」
「傷は、ございませぬ――」
 言いながら、趙雲は思った。
 傷が、ない?
 ではさきほどのあれは、幻か何かであったというのか?
 趙雲はキッと孔明を見つめた。
 孔明はわずかに驚いたような顔をしたが、すぐに笑って小首をかしげた。
 ――違う、
 趙雲は、胸中に呟いた。
 彼の知る孔明は、こんな笑い方はしなかった。
 こんな、淫靡な笑い方は――
「貴様、」
 趙雲が絞り出すような声で言う。
「貴様、何者だ、さきほどのあやかしか――!」
 孔明はわずかに眉を顰めたあと、苦笑していった。
「なにを、子龍――」
「答えよ!」
 趙雲が一喝すると、「孔明」の顔から笑みが消えた。
「――わたし、犬はきらいだね、特に忠義面してギャンギャン喚く犬は」
「貴様ッ、やはり――!」
 趙雲が腰の剣をふたたび抜こうとすると、孔明がまた笑う。
「よいのか?この体はお前の大事な軍師のもの、斬れば血も流れるし、心臓も止まる、わたしはそうなったらこの体を捨てるだけだ」
「ぐっ・・・!」
 趙雲は抜きかけた剣から手を離すと、強く拳を握り締めた。血さえ滲みそうなほどに握り締め、己を落ち着けると、低い声で問うた。
「軍師――孔明さまはどうした」
「さあ?」
 孔明の姿をしたあやかしは、からりと笑った。
「今ごろ冥府の戸でも叩いているのではないかえ?」
「貴様――!」
「それよりも、子龍とやらよ」
 孔明が、趙雲の手を取っていう。
「おまえ、わたしに協力する気はないかい?なに、わたしの正体を黙っているだけでよい――礼はいかようにでも、お前の望むものをくれてやろうぞ」
「な――」
「そうだな――なんならこの体、抱かせてやってもよい、わたしの見たところこの者、新鉢ぞ」
 ふざけるな――!と趙雲が叫びそうになった瞬間、肌蹴たままの孔明の襟元が目に入った。初めて触れた、その白い首。このようなことがなければ、ずっと触れることすらかなわなかったかもしれない。
 ごくり、と趙雲の喉がなった。
 「孔明」が微笑む。
 趙雲は恐る恐る、孔明の頬に手を触れた。やはりなめらかで、柔らかい。しかし、およそ人のぬくもりというものが感じられなかった。おそらく、真の体の持ち主が去ったためであろう。しかしその冷たさすらもも、趙雲の理性を呼び戻すものとはならなかった。
 孔明が、楚っと目を閉じる。
 趙雲は、じっと待つ孔明のくちびるに、ゆっくりと己のそれを近付けていった――

***

まだまだ引くわよッ!!(byイトウくん)